説明:「京都創生について」
司 会

 それでは次第に従いまして進めさせていただきます。まず京都創生の取組につきまして,白須室長から御報告させていただきます。

白 須

 度々失礼致します。先生のお話の前に5分間だけ,京都創生の取組を御紹介させていただきます。皆様のお手元に『歴史都市・京都の創生を』という資料がございます。これに沿って簡単に御説明させていただきます。京都創生は,京都の素晴らしさを市民の皆様と一緒に守っていこうという取組です。50年,100年先になっても京都の良さを守って,日本や世界の皆さんに伝えていきたい。最近でしたら,新聞等に少し出ておりまして皆様も御承知かもしれませんが,京都の美しい景観を守るということに一つ,重点を置いております。それで,この辺りですと小川通が歴史的景観の保全修景地区ということで,町家など京都らしい雰囲気を残しているわけですが,そうした古いまちなみというものを京都全体で守っていきたい。また全市的に,高さを下げていこうという,取組をしております。分かりやすい例で言いますと,今,御池通とか,五条通,堀川通は45mの建物まで建つようになっております。特に総合設計ということで許可を得た建物は60mまで建っております。現在,京都市で考えておりますのは,こうした幹線でも最高で31mにする。西陣でしたら,現在の制度では20mまで建ちます。だいたい6階ないし7階は建つんですが,それを15m,4階ないし5階までの建物にしていこうということです。周辺部に目をやると,多くのお寺は山裾にあります。そうした山裾の景観などもしっかり守っていこうと,皆様方の御協力をいただいて規制をかけて守っていきたいと思っております。

 それから,文化です。本日も先生に文化についてお話を伺うわけですが,京都の伝統的な文化をきっちりと守っていこう,伝統文化をきっちりと守ったうえで新しい文化を創造していこう,と考えております。

 そして最後に,美しい景観,文化を守り,それを観光という分野で活用していきたいということです。例えば,嵐山で花灯路という新しい事業もやっておりますけれども,京都の良さを広く皆さんに知っていただく,市民の皆さん方にももちろんですし,日本,世界の観光客の皆さん方にも楽しんでいただきたいと思っております。

 このような,景観・文化・観光の取組を行っております。しかし,これは京都市だけでできることではありません。ぜひ市民の皆さんのお力をお借りしたいと思っております。私も京都に生まれて50年以上京都に住んでおりますが,必ずしも京都の良さが十分には分かっていない。宝鏡寺さんには今日初めて来たくらいです。寺院,まち並みなど京都の良さがございます。そういったものを市民の方が,目で見て感じていただくだけじゃなくて,今日のお話のように歴史的なことも踏まえて京都の良さを味わっていただく。そういう中でさらに京都を守っていこうという運動が広がっていけば,ということで本日のような取組をしております。これからも,こういった取組をやっていきますので,是非,御応募いただきたいと思います。また,先ほど田中さんのお話にもありましたが,宝鏡寺のこの場所は普段は開放されていませんので,こういった催しに使われるのも初めてということでございます。今後とも,京都の様々な関係者の方にも御協力を得ながら,さらに京都の良さを伸ばしていきたいと思っておりますので,よろしくお願いします。

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